浮上する記憶。

praise
『写真集食堂めぐたま』で手彫り熊の写真集を手に取ったら、
「北の人っぽい」と言われた。
真意は定かではないが、なんか妙にうれしい。
北海道を離れてもう30年。
こっちに住んでるほうが長いのに、
地元ナショナリズム? アイデンティティの目覚め?
道産子だという自負心がある。
いま思えばたった15年過ごしただけなのに、
時間だけではない濃密な記憶がこびりついている。
普段は沈殿しているその記憶が、
今日みたいなときに覚醒するようだ。
放浪癖があってジッとしているのが苦手なのに、
生まれ故郷には思い入れが残る。
おもしろいものだなと、我ながらほめてやりたい。