• Instagram Clean

​© photo by Chokko Yamadaya

『鴉』

May 19, 2017

thanks

30年前に出た深瀬昌久の写真集『鴉』の再販本を手に入れた。

おぼろげながら著者の心の奥深くを覗き見たようで、

読み終えたらなんかジッとしていられずカメラ片手に街へ。

いつもはゴミステーションにたむろしているのに、

こんな日に限って鴉がどこにもいない。

その後も当てもなく狭い路地をふらつくと、

一軒家にたむろする鳩の巣窟を発見した。

立ち位置的には鴉と対極に位置する鳩だが、

泣き出しそうな空模様を背景にすると、

なかなかの怪しさを醸し出している。

悪くはない、写真を撮りながらしばらく観察した。

でも、やっぱり鳩は鳩。

平和ボケ、いや、飼いならされているのか、

しぐさや行動に強い意志を感じない。

したたかに生きる鴉のようなたくましさがないのだ。

 

『鴉』はおもに70年代の北海道で撮影されている。

 

深瀬自身はそんな意図を持ってないだろうが、

群れていてもどこか孤独で、

北の厳しい環境でもたくましく生きる姿に、

当時の人間がだぶって見えた。

昔はよかったとかすごかったみたいな

安易な懐古主義は嫌いだけど、

今に比べて生きることまだソリッドだった頃の匂いがする。

 

芸術だとかそういうのは置いといて、

写真は記録という一面がある。

その記録から記憶が浮かび上がり、

創造力がかき立てられることもあるだろう。

『鴉』を手にして写真が持つ価値を実感した。

やっぱり奥が深くておもしろい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Please reload

Featured Posts

Twin Lens Reflex Life

July 20, 2016

1/1
Please reload

Recent Posts
Please reload

Search By Tags
Please reload

Follow Us
  • Facebook Classic
  • Twitter Classic
  • Google Classic